Comme des Garcons Six 1988-1991

Comme des Garcons Six 1988-1991

1988年から1991年の4年間で8冊発行され、上顧客のみに配られていたヴィジュアルマガジン「Six」。アートディレクターには井上嗣也、編集にはComme des Garcons設立にも影響を与えたと言われている小指敦子が担当。アート・写真・文学など、ファッションのみならず様々なジャンルから構成されております。当時DMなどの印刷物へ力を入れていたComme des Garconsにとって、表紙からブランドロゴを排した大型雑誌というのは単なるPRの領域を超えた、実験的なアプローチでした。

「Six」とは「第六感(sixth sense)」の意味。視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の現実的感覚を超える心の働きの事を指します。

テキストもなく強烈なヴィジュアルのみで構成されたこの印刷物は、これ自体が第六感に働きかける「アート」と捉えることが出来るかもしれません。しかし川久保玲は「Six」に関して、「アートとは思っていません」と述べています。あくまでComme des Garconsの存在を伝えるための手段の1つであり、何かに分類されたりするものではないようです。

こうしたことから、Comme des Garconsの存在というのは人間の五感では説明し切れない「第六感」的な感覚と近しいものなのかもしれません。わたしたちが普段目にするComme des Garconsのコレクションは「第六感」的な感覚を身体で表現した結果でしかなく、それを直観的なヴィジュアルイメージで表現した結果生まれたのがこの「Six」という印刷物なのです。

 

Written by Kiyota Moe
Edited by Sakaguchi Takuya

Instagram:kyt__as >>